【D-6】(ダム3)[福岡]牛頸ダム

牛頸ダム

所在地 福岡県大野城市
河川 御笠川
目的 FN
型式 R
高さ 52.7m
長さ 383m
総貯水量 228万立方m
管理者 福岡県

※日本ダム協会ダム便覧さんより抜粋
これは治水目的ダム。

なお、この場合のNは水が一定量達してなければ水を流さないときもあることから、河川維持というより、もう一つの不特定用水の意味の方がつよいかな?

形式はR(ロックフィルダム)で、専門的に見ると 中央土質遮水壁型ロックフィルダム(岩をつかって水をささえつつ、水をとおさないようにダムの中心部に粘土状の遮水壁を造形したもの)です。

写真だと草がはえてて岩でできてるのか不明瞭ではあるかもしれないですが、事実上岩でできています。

ちなみに、ロックフィルダムで作られるダムというのは、大半がダムを支える地盤が不安定な場合であり、

逆になぜロックフィルダムが地盤のわるい、地盤が弱くて不安定な場所でも作れるのかは、多くの岩を丘のようにつみあげていくことで重力式コンクリートよりも低重心で強く、とても安定した壁をつくることができるから。

ただし、その分岩を使うことにもなるし、重力式コンクリートの体積の何倍もの体積をとるため、特に高い高さのロックフィルダムをつくるとなると体積を多くとってしまい建設に不利になることも。

その点、重力式コンクリートは地盤が比較的安定したところでないと作れないとはいえ、体積をロックフィルほどとらないため高い高さのダムもつくることができるし、自由度が高いのがやはり良い所。

また、地盤が岩盤などによりとても強いところとなれば、地盤に水圧を逃すことによって重力式コンクリートのようにコンクリートの重さだけでなくても、水を支えることができるアーチダムを建設することができる。これは地盤がつよくなければならないという制約があるものの、アーチ形状により水圧に対しての強さが高いため、使用するコンクリートの量を大幅に削減することができる。

話を戻すと、この牛頸ダムはロックフィルダムで、重力式コンクリートとかなり見た目が違うのがわかりますよね?

詳しくはwikipediaなどを見てみよう!(投げやり)

ゲートも真ん中にはなく、ダムの左脇にあります。やはりロックフィルダムの形状がなだらかなだけあって、ゲートからすべり台のように水が流れてますね。

このゲートは自然調整式。これは、水がたまるにつれて徐々にこのトンネルから多くの水が出て、それよりも水がたまるとトンネルの右上の岸を越え水が一気に多く流れるシンプルな仕組み。


ダム堤体。重力式コンクリートと比べると丘のように見えて、ダムの雰囲気を感じない人もいるだろう。


さきほどの写真の左の導流部の始点がココ。トンネルからダム湖の水が自然越流してますね。


ダム湖側より堤体をみる。岩があるの、見て取れるかな?


管理事務所。自然調整式でゲートを動かしたりしないため特にすることなさそうに見えますが、ダムに貯まる水の量や、ダムから流れてる水の量、降水量などを調査しつづけており、万が一大雨などで自然調整式とはいえダムからの放流量が多くなった場合はここを起点に警告を促したりもします。



福岡市内からは少し離れているものの、天神からでも一時間あればつきそうなところにあり、春日からだと2,30分といったところです。

-追記-



2枚、別のカメラで撮影したものがあったのであげておきます。

2015/03/26再編集。

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